Chasin’ Another Trane
(John Coltrane)
(15分35秒)
【この曲、この演奏】
ヴィレッジ・ヴァンガード二日目は、F blues の「Chasin’ The Trane」を B-flat blues で演奏する「Chasin’ Another Trane」で開始となります。因みに「Chasin’ The Trane」はコルトレーンがライブで何度も演奏する曲となっていきますが、この「Chasin’ Another Trane」は事実上ここだけで聴ける演奏です。
John Coltrane(ts)
Eric Dolphy(as)
McCoy Tyner(p)
Reggie Workman(b)
Roy Haynes(d)
初日の「Chasin’ The Trane」ではピアノレスでの演奏でしたが、ここでは一応マッコイが参加となっています。そして何らかの事情により、ドラムはロイ・ヘインズが叩いています。
さて演奏ですが、テーマはドルフィー抜きでの演奏です。すぐにコルトレーンのテナーによる8分強のソロに入ります。ここではピアノ無しとなり、これは後テーマの前まで続きます。ここでのコルトレーンはウォーミングアップのようであり、インスピレーションがなかなか掴めない様子です。しかし勢いで8分吹きまくるさまは、なかなかのものです。
またロイ・ヘインズのドラムですが、さすがは巧者の演奏となっていますが、トラとしての限界を感じているようです。たまたま会場に来ていて声がかかり、エルヴィン用にセットされたところに座っての演奏だったのでしょう。
続くのはドルフィーのアルトによる3分間のソロであり、その後に再びコルトレーンのソロになっていきます。4分近い演奏の流れで後テーマとなり、最後にマッコイとドルフィーが加わります。聴きようによっては、4分の後テーマとも感じられるものです。
この演奏は1979年に世に出ました。
【エピソード、本セッション】
他の日と違うこの二日目の特徴としては、演奏曲としては「Softly As In A Morning Sunrise」がこの日だけの演奏となっていることだ。次に事実上同じ曲である「Chasin’ Another Trane」と「Chasin’ The Trane」が演奏されている。
また演奏者としては、Garvin Bushell の登場であるが、彼は四日目にも出演している。そして何故かロイ・ヘインズの冒頭だけの参加が、不思議であり、この日の特徴の一つであろう。
そして大きな特徴として、ヴィレッジ・ヴァンガード四日間の音源の初出となる A(S)-10(Coltrane “Live” at the Village Vanguard, released Feb 1962) に収録されている3曲の中の2曲が、この日の演奏となっている。
【ついでにフォト】
2005年 香港、赤柱での龍舟競漕
(2021年1月19日掲載)