Like Sonny (Take 7, Alternate Version)
(John Coltrane)
(6分3秒)
【この曲、この演奏】
コルトレーン作のこの曲について、資料09には次のように書かれています。「ミディアムのアフロドラムと8拍子を一区切りにしたピアノとベースのパターンが噛み合うため、頭がわからなくなるような、凝ったリズム・パターンで始まる」
そんな曲のコルトレーンの演奏記録ですが、資料07によれば8回となります。最初が本セッション、次がこの年に12月2日のピアノはケリーに替えてのスタジオ録音で、「Coltrane Jazz」として1960年に世に出た演奏です。
3回目は1960年6月のライブで、録音は残っていません。最後は1960年9月8日のUnited Artistへの吹き込みです。
さてこの曲、本セッションではリハを含めれば9回目の演奏となります。さすがに9回目、演奏のつながりの良さ、滑らかさは感じられます。コルトレーンのソロも良く語っているもので、興味深く聴けます。しかしながら頭に刻まれているこの曲の演奏は、ピアノがケリーの12月2日のものですので、どうしてもそれと比較してしまいます。そうすると不満はあるのですが、未発表曲集とはいえ、コルトレーンとの共演のウォルトンのソロ演奏が世に出たこともあり、これはこれで良かったのかと思います。
【エピソード、コルトレーンの注文、ネスヒの言葉】
資料01にネスヒ・アーテガンの興味深い発言がある。
ジョン・コルトレーンは、レコーディングの技術面については特にうるさかった。自分と自分のグループの演奏がどういうふうに聴こえるかを正確に知っていたからだ。どこか気に入らないところがあると、すぐそれを指摘した。彼の気に入ったサウンドを録音するように、われわれは常に細心の注意を払っていた。
プレスティッジでは望めなかったことを、新しい環境で実現しようとするコルトレーンの熱意が伝わるエピソードだ。
【ついでにフォト】
2009年 みなとみらい
(2020年4月30日掲載)