Blues Legacy
(Milt Jackson)
(9分4秒)
【この曲、この演奏】
ミルト作のこのブルース曲は、スローからミディアムのテンポで適度な倦怠感が持ち味の曲です。
作者のミルトもコルトレーンも、演奏記録は本セッションだけです。(資料06、08)
ミルトが準備した演奏展開をコルトレーンは忠実に演奏し、ブルース・フィーリングをゆったりと味わえる演奏になっています。ミルトのブルースの世界を堪能できると同時に、まだまだ伸びていくコルトレーンの姿を感じる演奏になっています。
この演奏は「bags & trane」には収録されずに、1970年発売の未発表曲集「The Coltrane Legacy」に収録されました。
【エピソード、アトランティックとの契約交渉の背景】
ハロルド・ラベットも、その契約はいい取引だと考えた。
コロンビア法律学校を卒業したラベットは、彼が法律に強い人間だからといって、多くのミュージシャンたちから「相談役」と呼ばれていた。彼は当時、マイルス・デイヴィスのマネージャーをしていた。コルトレーンのことは、彼が最初にデイヴィスのバンドのメンバーになった時から知っていた。ラベットはいたって抜け目のないタレント・スカウトで、うまく話をつけてコルトレーンのマネージャーとなり、アトランティックとの契約について交渉するのを助けた。コルトレーンが自分のバンドを作ってから、ラベットはデイヴィスが一九五五年以来関係をもっていたショー・エージェンシーとコルトレーンの契約に調印した。そのエージェンシーのラリー・マイヤーズとジャック・ホイットモアは、コルトレーンに対してきわめて細心の注意と個人的な配慮をもって接してくれた。(資料01)
【ついでにフォト】
2005年 香港
(2020年3月28日掲載)