Love Thy Neighbor
(Revel – Gordon)
(9分24秒)
【この曲、この演奏】
この曲もジャズ界では馴染みのない曲で、資料14には掲載されておりませんし、コルトレーンの演奏記録もこのセッションだけです。
ウィキペディアによれば、1940年に同名のアメリカ映画があるとのことですので、その映画で使われていた曲だと思います。
資料09には、この曲ではドラムがジミー・コブではなくアート・テイラーだとの記載がありますが、資料06や資料07、そして他の資料を見てもそのような記述はありません。
前曲に続き暖かで明るい曲であり、演奏です。冒頭からコルトレーンの独断場であり、流している感もありますが、そこにも光るコルトレーンの存在があります。ハーデンのフリューゲルホーンは戸惑いがありながらの演奏ですが、微笑ましく聴けます。
こんな曲もあるんだよ、そんな演奏でした。
【エピソード、A.ブルームのインタヴュー、1958/6/15、その11】
(JC=ジョン・コルトレーン、AB=オーガスト・ブルーム)(資料04)
AB ファイヴ・スポットで演れそうだと思えるようになるまでには、どのくらいかかった? バンドのレギュラー・メンバーとしてやっていけそうだと思えるまでに。
JC そうだな。私たちが・・・モンクがファイヴ・スポットの仕事を得てすぐ、ステージに立ったよ。さっき話した反復練習をすでにやっていたし、そのおかげで、何というか・・・私は彼に会い、それから彼とつるみ始めて、彼の家に遊びにいくようになった。私は彼の音楽が好きだったから。それに、そのときにはもうすでに一曲レコーディングしていたんだ。「モンクズ・ムード」を。
AB その曲をやるために、君はフィラデルフィアから出てきた。
JC そう。あの曲がすごい好きで、彼に覚えたいって言ったら、家に呼んでくれるようになった。その頃から、彼の曲を覚え始めた。将来、一緒に何かをやることになるなんて思わなかった。純粋に楽しかった。モンクとの演奏は、とても楽しかったよ。
AB そのときが、君の音楽キャリアにとっての分岐点になったと思う?
JC どうだろう。あれが分岐点になったのかは分からないが、あの頃、一つの決断をしたのは確かだ。つまり、酒とかそういうくだらないものを一切やめた。私の演奏レベルが上がったのがあの頃だ。
【ついでにフォト】
2010年 ペナン
(2020年2月10日掲載)