Chris Connor At The Village gate
FM原盤
1963年録音
FMレコードというレーベルがありました。ジャズとフォークを扱っていたとのことです。その活動の全体は分かりませんが、1年でルーレットに吸収されたとのことです。
そのFMレコードを立ち上げたのは、「ソロに転向したばかりの時にクリス・コナーのマネージャーをした モンテ・ケイ(ウィキペディアより)」でした。
クリス・コナーは輝かしいアトランティック時代を1962年に終え次に向かおうした時期にモンテ・ケイの説得を受け、1963年に設立したばかりのFMレコードの所属となり、2枚のアルバムを残しました。
その1枚がこの「ヴィレッジ・ゲイトのクリス・コナー」、有名ジャズクラブでの1963年のクリスのライブ、バック陣は次の方々です。
ロニー・ボール(p)
マンデル・ロウ(g)
リチャード・デイヴィス(b)
エド・ジョネシー(d)
ジャズなクリスであったアトランティック時代そのままでのライブであり、彼女にとっては珍しい曲も取り上げており、楽しいステージを満喫できる1枚です。バックも実力者を配して、リズミカルに楽しいクリスのステージを盛り上げています。ただ私の好みから言えば、ピアノとギターが絡んでの演奏にチグハグさを感じます。それぞれ一人での演奏ならば、それはお見事なものですが、二人共にの演奏では相性の悪さを感じてしまうのが残念な点です。
事の真意はわかりませんが、アトランティックとの契約更新も考えていたクリスを、半ば強引にマネージャーのモンテが自分が立ち上げたレーベルに所属させたとの話もあるようです。
このFMレコードは1年で倒産し、この後のクリスは長期契約には恵まれず、いくつかのレーベルを渡り歩くようになります。大衆を相手にしたレコード・ビジネスではロックが主役となっていく中で、このFMレコードというのは、彼女にとって大きな分岐点であったと、私は感じています。