2024年2月5日掲載

Enrico Pieranunzi / Paul Motian
Flux And Change
Soul Note原盤
1992年8月録音

 本作前にエンリコ・ピエラヌンツイが連名で制作したアルバムとしては、チェト・ベイカーとの「The Heart of the Ballad」、リー・コニッツとの「Solitudes」、そしてマーク・ジョンソンとの「Yellow & Blue Suites」の3作品があります。(ウィキペディアより)

 エンリコ・ピエラヌンツイの連名アルバム4作品目は、ドラムスのポール・モチアンとの作品です。3つの組曲が収録されております。二人の作品にジャズ・ジャイアント作の曲やスタンダードなどが組み合わさった組曲となっています。

 美しき旋律の持ち主であるエンリコ・ピエラヌンツイが、ドラムスの名手ポール・モチアンとの演奏を通して、普段では聴けない姿を見せていくというのが、この組み合わせの意図なのでしょう。そんな意味では、モチアンの仕掛けに徐々にピエラヌンツイが乗っていき、アグレッシブなピアノがほどよい加減で登場する、「Suite No. 1」の終盤の展開がステキな展開となっていました。モチアン作の「Drumlogue 2」で普段は聴けないピエラヌンツイとなり、次のエリントン楽団の「Things Ain’t What They Used To Be」で、そんなピエラヌンツイが楽しい楽曲に取り組む姿が、興味深いものでした。

 Roccella Jonica International Jazz Festival、カリブ海に面したロッチェッラ・ジョニカで行われたジャズ・フェスティヴァルの一場面でのこの演奏、それなりに観衆に受け入れられていました。