2024年1月10日掲載

　ミンガスの死後すぐに結成されたミンガス・ダイナスティは、1990年代には華々しい活動を繰り広げていました。そのグループ名は、1959年にミンガスが吹き込んだ、この作品からのものでした。

　このアルバムは、同年5月に制作されたアルバム「Mingus Ah Um」と対をなすアルバムとされています。

　編成は「Mingus Ah Um」と同様に8人編成を基本とし、曲によりメンバーが入れ替わったり、チェロがプラスされたりしています。

　骨太のミンガス・サウンド、万華鏡のようなミンガスの世界が、縦横無尽に駆け巡っている作品です。アルバム「Mingus Ah Um」との対比で聴くのも興味深いものです。楽しさを直球勝負で聴かせてくれるのがアルバム「Mingus Ah Um」、刺激ある世界を変化球を駆使しながら聴かせてくれるのが本作品だと、私は感じています。

　ダイナスティとは「王朝, 王家」との意味ですが、ここではミンガス・ファミリーとの意味合いなのでしょう。この意味合いは、ミンガス亡き後の同名グループでの活動に、しっかりと引き継がれました。