2024年1月2日掲載

Cassandra Wilson
New Moon Daughter
Blue Note原盤
1995年録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、150円で購入した作品です。

 M-BASEの歌手がソロ作品を発表し人気を得ていったカサンドラ・ウィルソンが、ブルー・ノートに移籍して2枚目に発表したのが本作品です。この作品はヒット作となり、彼女は本作でグラミー賞最優秀ジャズ・ボーカル賞を受賞しました。

 彼女の「ソウルフルで官能的、かつ叙情的であり、彼女は偉大なジャズ・ボーカリスト達の伝統を引き継いでいる」(タイム誌、2001年7月9日号)との実力と共に、この作品が注目を浴びたのはその選曲によるものでしょう。

 偉大なる先達ビリー・ホリディの「Strange Fruit」、
U2の「Love Is Blindness」、
ニール・ヤングの「Harvest Moon」などが収録されています。
なお国内盤には「Moon River」が追加収録されていますが、私が中古購入したCDはアメリカ盤ゆえ、それを聴くことはできません。

 カサンドラ・ウィルソンの歌声は全てを包み込み、誰にも微かに微笑みかけ、聴く人を魅了するものです。そんな彼女をロニー・プラキシコのベースと、ブランドン・ロスとケヴィン・ブレイトのギターが、そっと力強く支えています。

 ソン・ハウスの代表曲で多くのミュージシャンにカバーされている「デス・レター」、スタンダードで歌物ではカーメン・マクレエやアン・バートンでお馴染みの「スカイラーク」と続く展開に聴き惚れた1枚でした。