Denny Zeitlin
As Long As There’s Music
Venus原盤
1997年12月録音
1938年生まれのピアノ奏者デニー・ザイトリンは、1960年代にポール・ブレイやスティーヴ・キューン、そしてアンドリュー・ヒルらと共に注目されたピアニストとなりました。その中でザイトリンは目立った存在とはなりませんでしたが、コンスタントにリーダー作品を発表していきました。
そんな彼の18枚目のリーダー作品(Wikipedia掲載ディスコグラフィーから)が、60歳になろうとしていた1997年末に、日本のヴィーナスの手によって制作されました。
バスター・ウィリアムスとアル・フォスターという名手とのトリオ作品、発売された際には結構な注目作品になったと記憶しています。
アルバムのタイトルにもなっている「As Long As There’s Music」はジューリー・スタイン作のスタンダードです。中条氏のライナーノーツによれば、ECMでのチャーリー・ヘイデンとのデュオ・アルバムでこの曲を取り上げており、ザイトリンの愛好曲とのことです。
本作品ではこの曲を楽しげな雰囲気で演奏し、トリオでの間合いの良さも光り、1曲目に相応しい演奏となっております。
この後も有名スタンダードやコルトレーンの曲、そしてザイトリンのオリジナルなどを取り上げ、歌心に溢れ、三者一体の微かな刺激が漂っています。
ジャケットの和の雪景色の意味合いは私には分かりませんでしたが、ジャズ・ファンから愛されるピアノ・トリオ作品であることは、四半世紀が経った今でも強く感じます。