Georges Arvanitas
Rencontre
Sony原盤
1997年10月録音
1950年台からリーダー作品を発表していたジョルジュ・アルヴァニタスは、フランスを代表する、と言うより欧州を代表するピアニストでありました。そんな彼が66歳の時に、信濃町にあったソニーのスタジオで録音されたのが、本作品です。
ウィキペディアによれば1978年に完成したこのスタジオは、1996年に世界初のDSD録音が行われたとのことです。この作品も、DSD録音とDSDマスタリングを採用しているとのことです。
ベースのアイラ・コールマンとドラムスのジョー・チェンバースとのトリオでの演奏で、1曲だけ歌手のケイコ・リーが参加しています。
スリリングと優美が交差するピアノ・トリオの演奏には、心が引き込まれていくものです。ミンガス作の有名曲「フォーバス知事の寓話」などでは、そんな真骨頂が聴けます。また歌入の1曲の存在も、自然な流れに感じ、決してこの作品の価値を邪魔するものではありません。
アルバムのタイトルな「出会い」との意味です。この録音に至った経緯は分かりませんが、これは素敵な出会いでありました。
その舞台となったソニー・ミュージック信濃町スタジオは2001年に閉鎖となり、本作録音後も活発な音楽活動を行なっていたアルヴァニタスは、2005年に亡くなりました。しかしながら、本作品の価値は地味ながらも輝いていくことでしょう。