Paul Chambers Sextet
Whims of Chambers
Blue Note原盤
1956年9月録音
コルトレーン参加曲解説
録音当時21歳のベース奏者ポール・チェンバースの、3回目のリーダー・セッション、2枚目のリーダー・アルバム、リーダーとして最初のブルー・ノートへのレコーディングです。1956年9月21日に録音が行われました。
ドナルド・バード(tp), ジョン・コルトレーン(ts), ケニー・バレル(g), ホレス・シルヴァー(b), そしてフィリー・ジョー・ジョーンズ(d) との演奏です。
コルトレーンからみますと、4作品あるブルー・ノートへの参加(リーダー作を含む)の中で、最初のものとなります。またこれまでのチェンバースのリーダー・セッションへは全て参加しています。
マイルス・クインテットからみますと、9月10日のコロンビアでのセッションと、10月26日のプレスティッジでのセッションの中間でセッションになります。
ハードバップ全盛期に入っていく中で、勢いある若手6人による威勢の良い演奏に、気分が高まります。その中にあって、コルトレーンとバード抜きでの2曲(Whims of Chambers, Tale of the Fingers)、そして事実上コルトレーン抜きでの1曲(Dear Ann)では、チャンバースの存在感を強く感じ、またベース・ソロが全体の中で浮かび上がっており、ベース奏者のリーダー作ならではと感じるところのある演奏です。この辺りがこの後にチェンバースがホーン抜きギター入りカルテットで演奏した名盤「ベース・オン・トップ」に繋がっていったのかと思います。
ハードバップの醍醐味と、ベース奏者ならではの存在感を感じ、そしてコルトレーンの演奏が楽しめる良い作品です。