2021年10月9日掲載

　ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、190円で購入した作品です。

　この「今日の１枚」を始めた20数年前に、私のサイトに置いた掲示板に、「ピアノ・ソロの作品は60歳を過ぎてから楽しむ」と投稿された方がいらっしゃいました。その時に私は「ビル・エヴァンスは60歳を過ぎてから楽しむ」と書きました。その時期は僅かながら先のことですが、この値段ですから購入となりました。

　イタリア系アメリカ人の歌手トニー・ベネットは1950年代から活躍している方で、ウィキペディアによれば2011年の85歳の時に発表したアルバムがビルボードで初登場１位になるなど、歌手活動を続けている方です。私には縁がなかった方なのですが、歌手K.D.ラングと製作したアルバムだけは購入しこの「今日の１枚」で取り上げました。（2003年3月16日）

　このエヴァンスとベネットの有名デュオ作品を、今日は聴いてみます。

　全9曲を有名曲で揃えた本作品は大好評となり、1976年9月に再びデュオ作品を制作するほどでした。そのことは聴けば納得できるものですが、私にとってはどれもが絶唱ベネットさんになっており、抑えた歌唱で流石と唸らせる場面も作ってほしかったなとの思いです。

　「ヤング・アンド・フーリッシュ」でのベネットさんの歌を聴くと、青春時代の振り返りたくない切なさを感じます。それに続くエヴァンスのピアノには、美しさが徐々に燃え上がっていくさまが表現されています。この曲を気に入って、本作品の初聴きを終えました。