2021年9月9日掲載

Wolfgang Haffner
Music
Skip原盤
1999年7月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、290円で購入した作品です。

 初めてドイツ人の苗字である Wolfgang に接した際には、強い印象を持ちました。何しろ「ウルフ」で「ギャング」ですからね。ただし何度もこの苗字に接してますので、ドイツでは一般的な苗字なのでしょう。カタカナ表記するならば、ヴォルフガングとなるようです。

 「今日の1枚」で取り上げてきたヴォルフガングさんは、ピアニストのヴォルフガング・ダウナーさんで4作品を掲載してきました。他のヴォルフガングもサイドでの参加で何人もいたと思います。

 さて今日の主役のヴォルフガング・ハフナーは、1965年生まれのドラマーです。1987年からリーダー作品を発表しており、今までに30枚以上の作品を発表していますので(Wikipediaより)、評価と人気の高いお方です。

 このMr. マリック風のヴォルフガング・ハフナーがいる黄色ジャケの作品では全12曲を演奏しており、曲ごとにメンバーを替えております。

 ジャズという枠に留まらず、オシャレで軽快なサウンドを求めながら、音楽の持つ表現の豊かさを追求したかのような作品です。このヴォルフガングさんのアイドルは、ジャック・ディジョネットかなと感じました。

 「Spring-Roll」では軽く和やかなブルースの中で、ギターの Peter TieHuis と、サックスの Andy Snitzerの持ち味がいきた演奏となっています。落ち着いた目覚めの朝に似合う「The Day After」では Chuck Loeb のギターと、Mitchel Forman のピアノが冴えています。陽気なカクテル・パーティーで流れてきそうな「Coconut Kiss」でのヴォルフガングのホーン陣のアレンジは、彼のポップ感覚の豊かさが伝わってきます。

 全体を通すとヴォルフガングのドラムスの切れ味の良さが耳に残るこの作品ですが、私の好み傾向からは外れるものです。しかし聴かせる魅力ある作品であり、ジャケにあるミスター・マリックのような方の魔法にかかった気分で聴き終えました。

 これで本作品への感想を書き終え、中古購入のこの作品をドラムス箱へ収納しようとしたところ、このドラムス奏者のヴォルフガングの別の作品を発見しました。それは1991年録音のもので、「今日の1枚」では2005年3月5日に掲載していました。そこでの感想は「元気の良いハード・バップを聴かせてくれる」とのものです。このお方は作品によって表現の色合いを大きく変えてくる方なのかと思いながら、今日取り上げた1999年作品をドラムス箱に収納しました。