2021年5月5日掲載

Avishai Cohen
Seven Seas
Blue Note原盤
2010年9月録音

 「七つの海」とは、「(既知の)全世界の海」を表す言葉で、具体的な7つの海域を数え上げることもあります。その七つの海は、時代と地域によって異なっています。

中世アラビア
大西洋 地中海 紅海 ペルシャ湾 アラビア海 ベンガル湾 南シナ海

中世ヨーロッパ
大西洋 地中海 黒海 カスピ海 紅海 ペルシャ湾 インド洋

大航海時代
大西洋 地中海 カリブ海 メキシコ湾 太平洋 インド洋 北極海(北氷洋)

現代
北大西洋 南大西洋 北太平洋 南太平洋 インド洋 北極海(北氷洋) 南極海(南氷洋)
(以上はウィキペディアより引用)

 ベース奏者のアヴィシャイ・コーエンの12枚目のリーダー作、ブルー・ノートからは2枚目のリーダー作(DUページの情報)を、今日は取り上げます。
 ピアノにはシャイ・マエストロ、そこに管楽器を四本入れ、ヴォーカルなども入り、アモス・ホフマンのオードとギターも加わっての、スェーデンでの録音です。

 アルバムのタイトルは「七つの海」です。

 マエストロのピアノとコーラス、これをアヴィシャイのベースが支え、静かな祈りを捧げているかの演奏で、アルバム全体が統一されています。平和への願い、私にはそう感じました。

 スェーデンのイェーテボリにあるスタジオでの録音です。このイェーテボリは北海に面しており、現代の7つの海でいうならば、北大西洋となります。そこから故郷のイスラエルまで航海するには、イギリス海峡を抜けて大西洋に出て、ジブラル海峡を通って地中海へ出ていくことになります。

 航海の安全、イスラエルの安定、世界の平和、綺麗な音の重なりの中に重厚さがある本作を聴きながら、そんな彼らの願いを感じました。