2021年3月10日掲載

Gato Barbieri
Fenix
Flying Dutchman原盤
1971年4月録音

 パーカーの「Now’s the Time」を聴いて演奏を始めたバルビエリ、コルトレーンやアイラーに大きく影響を受けたバルビエリ、そして1960年代後半にはチャーリー・ヘイデンやカーラ・ブレイのプロジェクトに参加したバルビエリ、そんな彼がリーダー作を連発していく時期の作品を今日は取り上げます。

 なぜか私はバルビエリの作品とは殆ど縁を持たずにきました。この「今日の1枚」では、1960年代後半の2枚を取り上げただけでした。SNSで本作を紹介され、興味持ち、中古購入しました。

 Na-Na(conga, birimbau), Gene Golden(conga, bonga drums), Lennie White Ⅲ(d), Joe Beck(guitar), Ron Carter(e-b), そして Lonnie Liston Smith(p)が参加しています。
 「A classic exploration of South American rhythms by the Argentine master of the saxophone」と、私入手したCDの裏に書かれています。

 アルゼンチンと聞いて私が思い出すのは、熱狂的な国民性です。ストーンズの公式映像販売品は全て集めていますが、アルゼンチンでのライブは実に熱狂的な観衆でした。以前にWOWOWで放送していたマドンナのライブでも、同様の熱狂的な観衆だったのが印象深いです。

 サッカーの強豪国、そしてマラドーナも印象深いものです。メキシコでのW杯での「神の手」、南アでのW杯での監督、記憶に残っています。

 そしてアルゼンチンといえば、ヨーロッパからの移民を多く占めており、また悲しい歴史があり、少数民族もあり、また南北に長い国土も加わり、様々な音楽がそこにあることだと思います。

 このバルビエリの作品を聴いていると、私の中で浮かぶアルゼンチンの姿が重なっていきます。リズム陣の切れ味、適度なコンガの響きに乗って響く、バルビエリのサックスを聴いていると、フェニックスの舞が浮かんできました。