2021年3月7日掲載

Charles Tolliver
Impact
Enja原盤
1972年録音

 チャールズ・トリヴァーの経歴を簡単に紹介します。

 1942年にフロリダに生まれ、10歳の時にNYに移り、ハイスクール時代にはハーレムでのジャム・セッションに通っていました。祖母からプレゼントされたコルネットを吹いてはいたものの、まだ人前で演奏するほどではなかったトリヴァーですが、同世代のフレディ・ハバードのジャム・セッションに刺激され、本格的に演奏に取り組むようになりました。その後にJFKクインテットを作り活動、1960年代中盤にはマクリーンのバンドに入り3枚のレコードで演奏し、JMでも活動しました。その後に西海岸での活動を経て、1967年暮れにNYに戻りマックス・ローチやホレス・シルヴァーのバンドで活動しました。そしてその後にスタンリー・カウエルと知り合い、活動を行っていました。

 そのチャールズ・トリヴァーには、「Impact」とのタイトルのアルバムが二つあります。その一つは1975年にストラタ・イースタに残した、1975年1月録音の大編成での作品あります。

 今日取り上げるのは1972年3月に当時の西ドイツのミュンヘンのドミシルで行われたライブ作品です。こちらは、盟友Stanley Cowell(p), Ron Nathewson(b), そしてAlvin Queen(d)とのカルテットでの演奏です。

 1曲目のタイトル曲、火の玉演奏であります、爆発です、まさに衝撃です、そんなトリヴァーさんのフリューゲルホーンです。そしてリズム陣の縦ノリのリズムも特筆もの。カウエルは勿論だが、イギリス出身でたびー・ヘイズとの活動で知られるロン・マシューソンのベース、そして何と言ってもアルヴィン・クィーンのドラム、イケイケドンドンのリズム陣です。

 欧州ジャズ界の大御所となるアルヴィン・クィーンですが、このライブの時は22歳、イケイケの年頃が演奏に出ています。
さて1975年のアルバム「Impact」も、冒頭の曲はタイトル曲とのことです。恐らくは同じ曲でしょう。中古盤に巡り会えることを願っています。