John Coltrane
Olé Coltrane
Atlantic原盤
1961年5月録音
各曲解説「今日のコルトレーン」
アトランティックへのコルトレーンの最後の録音は、規格番号1373として1962年2月に発売されました。アトランティックとの契約は1961年3月までと思われますが、契約遂行のための最後のセッションは5月25日に行われました。「今日のコルトレーン 」で私は、本セッションは事実上のインパルス!のセッションだ、少なくともアトランティックとは思えない、と書きました。その理由は三つあります。
最初に本セッションは、コルトレーンのインパルス!初セッションである「アフリカ/ブラス」の二日間の間に行われたセッションであること、そして二つ目は本セッション参加メンバーは「アフリカ/ブラス」のメンバーを縮小編成していることです。さらに録音場所ですが、これはさすがに「アフリカ/ブラス」と同じスタジオではありませんが、それまでの使ってきたアトランティックのスタジオでもありませんでした。
Freddie Hubbard(tp), Eric Dolphy(George Lane) (fl, as ), McCoy Tyner(p), Art Davis(b), Reggie Workman(b), そしてElvin Jones(d)での本作品は、「アフリカ/ブラス」発売の5ヶ月後に世に出ました。
本作の後に、半年後ほどからコルトレーンのインパルス!での活動が始まっていけば、この作品の重要性が出てくるのでしょう。しかしコルトレーンの諸策の中で埋もれた作品となってしまっており、非常に残念なことです。
各曲については「今日のコルトレーン 」をご参照いただくとして、聴き所があるものです。その中でも最後の「Aisha」は素晴らしく、コルトレーンの活動全体の中でこの曲が語られることが稀なことは、繰り返しになりますが残念であります。