2020年7月6日掲載

Jack DeJohnette
Oneness
ECM原盤
1997年1月録音

 常に新しい扉を開けようとするジャズマン、ジャック・ディジョネットもそんな一人でしょう。そんな彼の活動の中で、1970年第終わりから1980年台のスペシャル・エディションでの諸作は、この時期にジャズの新譜コーナーをウォッチしていた方には忘れられない存在でしょう。

 そんなディジョネットが1997年に新たなグループを模索し、ワンネスというグループを作ったのです。盟友マイケル・ケインのピアノ、そしてギターにジェローム・ハリス、パーカッションにドン・アライアンスがそのメンバーであります。

 今日取り上げるのは、そのグループ名をタイトルにした作品です。

 小学校高学年か中学の国語の授業で、川端康成の随筆が取り上げられました。ホテルのラウンジでくつろいでいると、テーブルにあるグラスに光が差込み、その姿が徐々に変わっていく、とのような内容だったと思います。この記憶がどこまであっているかは別にしまして、グラスに差し込む光とその変化、その後の人生で何度も出会った場面では、この国語の授業を思い出します。

 本作のジャケにはテーブルの上に水が入ったグラス、そして薄らと光、このジャケを見て、国語の授業を思い出しました。そして演奏も、常に変化していく日常の光景を四人の意思疎通の妙で、美しく、時には鬱然の様子を描きながら続いていきます。

 このワンネスはグループと言えるような活動は見当たらず、本作だけだったかもしれません。数多くあるディジョネットの作品の中で本作は、これはお勧めですよ、というようなものではありませんが、聴いたら聴いたで損はしない作品です。