Donald Byrd
Slow Drag
Blue Note原盤
1967年5月録音
ドナルド・バードの1960年台後半の姿を捉えた作品を、今日は取り上げます。一部の方の間では、本作は「ソニー・レッド入りドナルド・バード三部作の最終作」と呼ばれているようです。
リズム陣は、シダー・ウォルトン(p) 、ウォルター・ブッカー(b)、そしてビリー・ヒギンズ(d)であります。
バードが望んでなのかBNからの要求なのかは別にして、ファンク色を出しているのは時代の流れなのでしょう。その色合いの中で本作は、トランペットのバードは真摯に、アルトサックスのレッドは自由奔放に、この二人の演奏の対比を楽しめる作品と言えるのでしょう。
ただし私が今回気に入ったのは、ジャズ本流よりの演奏となったスタンダード「My Ideal」でした。
それにしてもジャケの女性が気になりました。誰かに似ていると思いながら本作を聴いていたのですが、聴き終えてから女優のレスリー・アン・ブラントだと気づきました。二人の写真を並べれば違いは明らかなのですが、映画「ドリフト」でのレスリーさんの主人公を支えていく姿、そして「強い男の秘密は一人ぼっちであること」とのセリフが、何故だか本作ジャケの女性の雰囲気に通じるものがあるなと、思っていた次第です。