2020年4月9日掲載

Herbie Mann
Memphis Underground
Atlantic原盤
1968年8月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、150円で購入した作品です。

 ジャズ初心者の時に買わなかった有名作品は買い難いものだ、というようなシーンがラズウェル細木の漫画にありました。私もそんな作品があったものですが、今日取り上げる有名盤を買わなかった理由は「ジャズロックの・・・」「クロスオーバーの先駆け・・・」のような謳い文句に心が動かなかったからです。
そんな時からかなりの年数を経て、缶コーヒーを買うほどの思いで本作と出会えました。「今日の1枚」では、1958年の作品と1962年の作品に続く、三回目のハービー・マンの作品となります。ロイ・エアーズ(vib)、ラリー・コリエル(g)、そしてソニー・シャーロック(g)が参加しています。

 ハービー・マンのフルートが、覚えやすいメロディを軽やかに吹いていき、それをロック畑と思われるリズム陣が支え、そこにヴァイブとギターの二人が絡みついていく、私は口笛を心の中で吹きながら本作を楽しく聴き終えました。小難しいことをやろうとしていないところが流石で、ミュージシャンの姿が生きている作品です。
人それぞれ巡り合う時期がある、この有名作品と私が出会うには丁度良い時期だったのかもしれません。