2020年1月7日掲載

Sonny Stitt
Stitt Goes Latin
Roost原盤
1963年11月録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、400円で購入した作品です。

 スティットがラテンと言われても、多くの方が困ることでしょう。1963年という時期なので、さすがのスティットもルーストのテディ・レイグの企画を、断れなかったのでしょうね。

 そんな企画盤を演奏する夜を一緒に過ごしたミュージシャンは、Thad Jones(tp), Chick Corea(p), Larry Gales(b), Willie Bobo(d), Carlos “Patato” Valdes(cga, bgo), そしてOsvaldo “Chihuahua” Martinez(cowbell)という面々です。サド・ジョーンズにチック・コリアの参加も驚きですが、他の知らない4名はその筋の方々でしょう。

 企画はどうであれ、自分のスタイルで吹き抜くスティットの心意気に感心しながら、楽しく聴き終える1枚です。チックが違和感なくラテン軍団に溶け込んでいるのも、印象に残りました。チックの経歴を見れば、プロとしての出発点でモンゴ・サンタマリア楽団への参加があったようなので、ラテンのチックというのは不思議ではないようです。

 スティット作の曲が大部分を占める中で、最後に演奏されているのは「枯葉」です。我が道を行くスティットとラテン軍団の演奏が、合っているように聴こえてきたのが不思議でした。