2020年1月2日掲載

Donald Byrd
Fuego
Blue Note原盤
1959年録音

 ブルー・ノートの4000番台初期の人気作品です。マクリーン、ピアソン、ワトキンスという豪華メンバーでの録音です。
 人気トランペット奏者ドナルド・バードのハード・バップ作品であり、さらにその先を見つめた作品でもある本作を、今日は楽しんでみます。

 新主流派と呼ばれることになる1960年代の新しい動きを感じますが、本作の魅力は歌心溢れる演奏でしょう。一緒に口ずさむ場面が多い作品であり、多くのジャズ好きを本作が魅了し続けているのも、そんなところなのでしょう。
 例えばバード作の「Lament」ですが、バードとマクリーンが奏でるテーマから鼻歌気分になります。そしてバードの暖かい響きのソロ、マクリーンの塩辛い響きのソロ、さらにはピアソンのソロと、口ずさみ気分は続いていきます。

 更に本作の素晴らしい点は、アルバム全体でこの気分を味わえることです。名盤と言うよりは愛される作品、そんな思いを強くして、本作を聴き終えました。