2019年12月4日掲載

Lennie Tristano
Tristano
Atlantic原盤
1955年録音

 ディスクユニオン関内店中古CD半額セールで、250円で購入した作品です。

 「レニー・トリスターノが打ち出した理論は・・・」と常に紹介される、レニー・トリスターノの代表作です。
 代表作と言いましたが、彼の場合はレコーディングが本当に少なく、1950年代となりますと本作と「ニュー・トリスターノ」の2枚であり、こちらも彼の「代表作」です。
 「鬼才トリスターノ」との邦題でお馴染みの本作は、二つのセッションで構成されています。ピーター・インド(b)とジェフ・モートン(d)とのトリオで4曲。リー・コニッツ(as)、ジーン・ラメイ(b)、そしてアート・テイラー(d)とのカルテットで5曲です。

 この作品の語り口は、トリスターノ派と呼ばれる方々が受け継いでいきます。冬の夕刻の人気の少ない歩道に流れるような空気感の演奏が、その方々によって作られていきます。
この作品の切り込み方は、この後にジャズを模索していく若いミュージシャンに、影響を与えていると思います。私が好きでよく聴いている、そしてこの「今日の1枚」で多く取り上げている、1970年代のロフト・ジャズ呼ばれている方々の演奏に、私はこの作品の影響を感じます。

 改めてこの作品の偉大さを感じ、私は間接的にトリスターノの音楽に今まで接してきたのかなと思いました。