Miles Davis
Doo – Bop
Warner Bros.原盤
1991年1月録音
本作品は、1991年9月28日に65歳で亡くなったマイルス・デイヴィスの、最後のスタジオ録音アルバムです。ウィキペディアの本盤紹介ページから、いくつかの本作品情報を引用します。
アルバム名
アルバムのタイトルは、二つの音楽ジャンル、ドゥーワップとビバップにかけた言葉遊びである。
制作背景
このプロジェクトは、デイヴィスがニューヨークのアパートで夏場に窓を開け、街頭の音に耳を傾けていたことから始まった。彼は、こうした音を捉えた音楽のアルバムを作りたいと考えたのである。1991年初め、デイヴィスは友人のラッセル・シモンズに電話をして、そうした音楽の創作を手助けできるような、誰が若いプロデューサーを見つけて欲しいと頼み、これがデイヴィスとイージー・モー・ビーの共同作業へとつながった。
制作
1991年にデイヴィスが死去した時点で、アルバム収録曲のうち完成していた楽曲は6曲だけであった。ワーナー・ブラザースは、イージー・モー・ビーに、未発表のトランペット演奏(デイヴィスが RubberBand Session と称していたもの)の一部を使って、マイルスが「きっと気に入るような」トラックを制作することを求めた。このアルバムの中で、こうしてデイヴィスの死後に制作されたトラックは、ライナーノーツによれば「ハイ・スピード・チェイス」と「ファンタジー」である。最後に「ミステリー」のリプリーズが配されて、アルバムは全9トラックの構成となっている
アルバム全体のリズムと音の散りばめは、イージー・モー・ビーという方によるものなのでしょう。1991年ならではのポップ界の流行を求めるマイルスの姿勢には、決して同じ所には立ち止まらないとのポリシーによるものです。半世紀近くに渡っって、音楽シーンの先頭に立って、この考えを持ち続けることに、あっぱれとの気持ちになります。
このアルバムは評論家筋から、その制作経緯からマイルスが吹くフレーズに至るまで、酷評となりました。その一方で、1993年グラミー賞では最優秀R&Bインストゥルメンタル・パフォーマンス賞ともなったアルバムです。