2024年7月3日掲載

The Art Ensemble of Chicago
Fanfare For The Warriors
Atlantic原盤
1973年9月録音

 アート・アンサンブル・オブ・シカゴは2年近くのパリ時代 (1969-1971)の後、活動の中心をアメリカに戻しました。その活動の中で、1978年からのECM時代、1980年代後半のDIW時代の活動は有名なところでありますが、その前の1972年から翌年にかけてアトランティックの所属していました。最初の作品は『バプティズム』で、パリ時代に固まった5人編成による、1972年9月9日の Ann Arbor Blues and Jazz Festival での演奏を収録したライブ盤でした。

 そしてアトランティック2作目がこの作品で、AECの5人に加えて、AACM創立メンバーのリチャード・エイブラムスも参加しています。1973年9月に、シカゴのスタジオで録音されました。

 パリ時代のAECの探究心が形となった作品であり、これ以降のECMやDIW時代の発展を感じることができるアルバムと言えるのでしょう。この作品を彼らの代表作とする方もいますが、それにも納得できるものです。
私にはボウイ作の「Barnyard Scuffel Shuffel」での、彼らが子供時代に親しんだリズムに楽しいメロディが乗っていきながら、想像力を膨らませていく演奏が好きであります。またジョセフ・ジャーマン作のタイトル曲での、各自の壮絶なぶつかり合いの熱量に、私は圧倒されます。

 アート・アンサンブル・オブ・シカゴを語る上で、欠かせない1枚といえます。