2024年6月4日掲載

Paul Chambers
Bass on Top
Blue Note原盤
1957年7月録音

 ハードバップのベーシストといえばポール・チェンバース、彼のリーダー作は次の通りです。

Chambers’ Music (Jazz: West, 1956)
Whims Of Chambers (Blue Note, 1957)
Bass on Top (Blue Note, 1957)
Paul Chambers Quintet (Blue Note, 1958)
We Three (New Jazz, 1959) with Roy Haynes and Phineas Newborn Jr.
Go (Vee-Jay, 1959)
1st Bassman (Vee-Jay, 1960)

 この中で最も人気なのはとなれば、やはりBN1569、このベース・オン・トップでしょう。私が愛するBN1534、ウィムス・オブ・チェンバースで、自分のリーダー演奏の場合のギターとの相性の良さを感じたチェンバースは、このアルバムではギターのケニー・バレルを迎え、管楽器なしで演奏した作品です。他には、ハンク・ジョーンズにアート・テイラーが参加しています。

 録音当時は22歳ながら、既にベース奏者のトップを走っていたチャンバースだけに、ベースという楽器の魅力を存分に伝える1枚です。やはりここでは、管楽器なしでギターを入れての演奏が、功を奏したと言えるのでしょう。

 Wikipediaでチャンバースのディスコグラフィーをみますと、1957年に40枚を超えるアルバムのレコーディングに参加しています。1日で収録を終えたのもあれば、数日かかったレコーディングもあることでしょう。そして演奏活動はレコーディングだけではなく、ライブ出演も数多かったことでしょう。仕事の無かった日はないと思うような、多忙ぶりです。そんな1957年チェンバースの、ベース奏者としての実力を最大限に注入したのが、このアルバムと言えます。