Thelonious Monk
In Copenhagen
Storyville原盤
1961年5月17日録音
セロニアス・モンクは、オリン・キープニュースとの信頼関係のもと、1950年代半ばからリヴァーサイドで密度の濃いレコード制作を行なってきました。やがてその関係もギクシャクし出し、1960年代に入ってからは互いの信頼感は無くなっていました。
モンクは1961年4月から5月にかけて、ラウズ、ジョン・オレ、フランキー・ダンロップと欧州ツアーを行い、その中の4月18日のパリ、4月21日のミラノでのコンサートは、現地で録音されていました。そのテープをキープニュースはモンクとの契約に従って、リヴァーサイドから発売したのでした
この欧州ツアーの他の日の演奏で現地のラジオ局が収録したものなどが、早い時期からブートレグ発売されていました。
今日取り上げるCDは,1996年にストリーヴィルから発売されたものです。1961年5月17日のデンマークはコペンハーゲンの Odd Fellow Palæet で録音されたものとクレジットされています。JAZZDISCO.org をみますと、この5月17日の記載はありませんので、CDクレジットの記載が正しいのかは裏が取れませんでした。
この欧州ツアーでのモンクには集中力が欠ける場面もあり、モンクとラウズ抜きでのベースとドラムスの演奏も多く、絶賛されるようなものではありません。しかしラウズ入りでのモンクの演奏を愛する私には、この1961年のありのままのモンクを楽しめ、ラウズのテナーを味わえるこのCDは大切なものです。
歴史ある建物での1961年5月17日のモンク、中盤から終盤にかけて収録されている「Body And Soul」「Well You Needn’t」「’Round Midnight」と続く展開は素敵なものです。