2024年5月7日掲載

Johnny Griffin & Matthew Gee
Soul Groove
Atlantic原盤
1963年5月録音

 アルバム名とジャケットでの「groove」の意味合いは、ジャズ・ファンならばすぐにニコリとすることでしょう。LPレコードでの溝、ジャズでのノリ、どちらもグルーヴであります。

 この1963年では既に大物となっていたジョニー・グリフィン、そして無名と言っても良いトロンボーンのマシュー・ジー、本作品はこの二人の双頭作品です。

 ウィキペディアにあるグリフィンのディスコグラフィーをみますと、本作品はリヴァーサイドとの契約が切れた直後の吹き込み、そして欧州に渡る直前の吹き込みのようです。

 では双頭アルバムの相手方が無名のマシュー・ジーなのかですが、国内盤CD封入解説の後藤誠氏によれば、アトランティックがマシュー・ジーを売り出すために、名前のあるグリフィンを引っ張り出したとのことです。

 国内盤CDの帯に「聴くものの魂と体を揺さ振る理屈抜きの面白さ!」とありますが、この宣伝文句には納得します。ジャズって楽しいね、ノルって気分がいいね、そんなことを実感する1枚です。ハンク・ジョーンズやジョン・パットンの素敵なサポートもあり、グリフィンもマシュー・ジーも好演となっています。

 この録音の後にグリフィンはヨーロッパへ渡り、マイペースな活動を行なっていきます。一方のマシュー・ジー、この素敵な作品を作った後ですが、名前が残る活動は見当たりません。