2024年5月4日掲載

Don Pullen
Tomorrow’s Promises
Atlantic原盤
1977年録音

 「1970年代のジャズ」との括りでは、私はジャズ聴き始めの1980年代初めからロフト・ジャズが好きで聴いておりました。そんな自分にとって、1970年代を代表するピアニストといえば、このドン・プーレンとなります。

 ドン・プーレンがジャズ界で名前が広がったのは、1973年のミンガス・バンド入りからでしょう。それ以降、プーレンは小さなレーベルでリーダー・アルバムを制作していましたが、それなりの規模のレーベルでのリーダー作品といえば1977年頃録音の、本作品となります。

 収録曲は6曲ですが、参加メンバーは曲ごとで異なっています。有名どころでは、プーレンの盟友ジョージ・アダムスが全てに参加、ハンニバル・マーヴィン・ピーターソン3曲、ボビー・バトルが5曲、ランディ・ブレッカーが1曲に参加しています。

 ドン・プーレンを筆頭に各メンバーの熱気がすごい作品です。アルバムとしての統一感云々との否定的なコメントもあるようですが、これからのジャズ界で一旗あげるぞとの若者のパワーの前には、そんな評も吹っ飛んでしまします。

 アダムスやマーヴィン・ピーターソン、そしてプーレンの圧倒的な勢いを感じる「KADJI」、そしてプーレンとアダムスのデュオでの「Last Year’s Lies and Tomorrow’s Promises」、この2曲が続く展開はまさに圧巻の内容です。

 私はこの作品を発売から遅れて聴きました。そして、この凄いミュージシャン達のこれ以降の活動の原点の一つを、この作品に感じました。