2024年5月3日掲載

Dizzy Reece & Ted Curson
Blowin’ Away
interplay原盤
1978年9月録音

 1931年ジャマイカ島キングストン生まれのディジー・リース、1935年フィラデルフィア生まれのテッド・カーソン、この二人のトランペッターを組ませた、1978年録音作品です。

 私が持っているのは2001年にCD発売されたもので、帯には「ロフト・ジャズ到来!双頭トランペットによる絶妙なアレンジによる70年代を代表するジャズ・アルバム」と書かれています。意味が取れない文章であり、帯の宣伝文句とはいえ大袈裟過ぎる表現もあります。

 フュージョンが吹き荒れ、その一方でヨーロッパでフリー・ジャズがなんだかの広がりをみせ、またニューヨークでは新たなジャズを模索する動きが活発になった1970年代の後半に、この作品は日本のレーベルで制作されました。

 決して目立つジャズ・ミュージシャンではありませんが、それなりの評価と人気があるこの二人のトランペッターは、1970年代に活動の場面が少なかっただけに、この録音には力が入ったことでしょう。またリズム陣も豪華です。

クロード・ウィリアムソン
サム・ジョーンズ
ロイヘインズ

 なお1978年にLPレコードで発売された本作品のジャケットは、一人が2本のトランペットを吹くイラストのジャケットでした。

 スタンダードに二人のオリジナル曲が入り、個性あるトランペッターの共演を楽しめる作品です。実力者二人の熱演だけに、聴く方にも気合が入ります。さらに実力者3名のリズム陣ですので、好盤なのは間違いありません。

 テッド・カーソンはこの後に数枚のリーダー作を残し、2012年に77歳で亡くなりました。ディジー・リースはご健在で93歳とのことですが、この作品以降はリーダー作はないようです。(ウィキペディア)