The Don Pullen Quintet
The Sixth Sense
Black Saint原盤
1985年6月録音
個人ごとになりますが、この作品が渋谷にあるジャズ盤専門店の新譜コーナーに鎮座していた光景を、よく覚えています。ジャズを聴き始めてピューレンの作品をエサ箱で買っていた私でしたが、この作品のいくつか前からは新譜コーナーで手に取っておりました。この作品の後にピューレンはブルーノートから作品を発表していきます。その意味で本作品は、ジャズの輸入盤を新譜を中心に力を入れているお店でしかピューレンの新譜に出会えなかった、最後の時期のものといえます。
オル・ダラ
ドナルド・ハリソン
フレッド・ホプキンス
ボビー・バトル
すごいメンバーとの作品です。
アップライトピアノがジャケットにありますが、これはピューレンの自宅なのでしょう。シューマンの楽譜にフルート、そしてピアノの上には生活感漂うものが置かれています。新譜コーナーで見た時に、地味なジャケットながらも、存在感がありました。
ピューレンの魅力といえば、先ずはパーカッシブでフリーキーなピアノ演奏からの音楽の刺激。もう一つがグループを率いた時の、危なく怪しいものと、疾走する気分の良さ、これを上手く同居させ、グループとしての演奏を作り上げていくことでしょう。
この作品では後者の魅力が冴えわたっており、それなりの人気作品となっていきました。