2023年7月8日掲載

John Coltrane Quartet
New York City ’65 vol. 1
Magnetic原盤
1965年録音

各曲解説「今日のコルトレーン」

1963年2月23日 バードランド
untitled original(本CDでは One Up, One Dow と表記)

1965年3月19日 ハーフノート
Chim Chim Cheree
Impressions

 コルトレーンの欧州公演のブートレグCDを何枚も発売し、ファンを熱狂させていたマグネティックから、アメリカでの演奏のブートレグCDが同時期に発売されていました。収録内容は次の通りです。

1963年2月23日 バードランド
untitled original(本CDでは One Up, One Dow と表記)

1965年3月19日 ハーフノート
Chim Chim Cheree
Impressions

 本CDには「Recorded Live At The “Half Note”, Spring ’65」とクレジットされていますが、1963年2月のバードランドでの演奏も収録されています。
 3曲ともに”初登場”ではありませんが、この1990年頃では、このCD発売はありがたいことでした。

 それから30年以上が過ぎました。1963年2月23日 バードランドでの演奏はブートレグCD発売が繰り返されてきましたが、1965年3月19日 ハーフノートでの演奏は今では入手困難な状態が続いていました。しかし近々発売のブートレグCDに、この日の演奏が含まれるようです。

 各曲については、「今日のコルトレーン」をお読み下さい。

 「Chim Chim Cheree」について少し触れましょう。この曲は、A(S)-85との規格番号で1965年8月にコルトレーンのインパルス!第11弾として発売された「The John Coltrane Quartet Plays」に収録されており、コルトレーン・ファンには馴染み深いものです。収録は5月17日でした。

 その半年前の2月17日にこの曲がスタジオ収録されていますが、今に至るまで未発表のままですそしてその翌月の3月19日に、バードランドでライブ演奏され、それが本CDに収まっています。それはこの曲を自分のものにしようとするコルトレーンの姿が、表れているものです。

 聴けない2月17日の演奏を想像しながら、アルバム「The John Coltrane Quartet Plays」での演奏と本CDでの演奏を聴き、激動の1965年の黄金カルテットに心を馳せるのも、楽しいものです。