The John Coltrane Quartet Plays
impulse!原盤
1965年2月録音
各曲解説「今日のコルトレーン」
充実の1964年となったコルトレーンと黄金カルテットは、激動の1965年に入りました。そして最初に製作したのが本作品で、A(S)-85との規格番号で1965年8月に、コルトレーンのインパルス!第11弾として発売されました。
1965年の2月17日、2月18日、そして5月17日と三日間、このアルバム制作のためのスタジオ・セッションが行われました。
Chim Chim Cheree(5月17日)
Brasilia(5月17日)
Nature Boy(2月18日)
Song of Praise(5月17日)
なお、2月17日のセッションでの演奏は、本作へ収録されませんでした。
各曲については「今日のコルトレーン」をご参照願います。
先ずは本作品収録の四曲がバラエティに富んでおり、またコルトレーンの思いの強さをその演奏に感じます。
「Chim Chim Cheree」は、「My Favorite Things」や「Greensleeves」と続いた方向の発展を目論んだものでしょう。
「Brasilia」は、1961年11月の熱狂のヴィレッジ・ヴァンガードでの重要曲であり、そのスタジオ録音を、コルトレーンは願っていたのかと思います
「Nature Boy」では、エデン・アーベッツ作のこの曲の深遠で幽遠な魅力を、黄金カルテットに取り組みたかったのかと思います。
「Song of Praise」は、祈るということの意味を、その目的を、音楽を通して表現したかったかなと思います。
またこの作品の背景を知ると、本作品収録までにさまざまな形でコルトレーンが取り組んできた様子がわかります。例えば「Song of Praise」では、アルバム「クレッセント」向けセッションの1964年4月27日に録音しながら採用されず、その後にライブでの演奏を行い、5月17日の録音で満足できる演奏となったのです。各曲については「今日のコルトレーン」に書いております。
激動の1965年となったコルトレーンの最初の活動となった本作品、深い魅力が詰まっています。