John Coltrane Quartet
Crescent
impulse!原盤
1964年4月録音
各曲解説「今日のコルトレーン」
コルトレーンはジャズマンとして音楽家として、1964年には一つの熟成期と言えるのでしょう。そして黄金カルテットもこの1964年は、演奏の完成度がピークに達したと考えられるのでしょう。
1964年にコルトレーンは黄金カルテットで、最高級のアルバムを二つ製作しました。年の後半には「至上の愛」、そして前半にはこの「クレッセント」を完成させたのです。
4月27日と6月1日の2回のスタジオ・セッションで、このアルバムは録音されました。
A面
Crescent (6/1)
Wise One (4/27)
Bessie’s Blues (6/1)
B面
Lonnie’s Lament (4/27)
The Drum Thing (4/27)
この作品は1964年7月に、規格番号A(S)-66として発売されました。インパルス!のコルトレーン作品の、第九弾となります。
各曲については、「今日のコルトレーン」をお読みください。
弱さ、強がり、優しさ、こだわり、誰もが心にあるであろう部分にこの作品は語りかけてくる感じがあります。聴く度にこの作品は、私への語りかけ方を変えてくるようです。
常に人気の本作品ですが、ずば抜けた人気とは言えないのかなと、私は感じています。コルトレーン好きには評価されながらの、一般のジャズ好きの方々には人気度が低いのかなと思っています。
その理由ですが、あくまで私見ですが、ジャケットなのでしょう。テナーサックスを熱演するコルトレーンが写っているジャケなのですが、プレスティッジからインパルス!までの作品を眺めても、完成度が高いジャケットとは感じません。
例えば「(プレスティッジの)コルトレーン」、「(インパルス!)のコルトレーン」のようなジャケならば、この作品はもっと高い人気を得たのかなと思います。
勿論、「コルトレーンのあの人気盤だってジャケは大したことないだろう」とのご意見はあることでしょう。でも私には、ジャケットの出来具合を圧倒的に凌駕する演奏の出来具合だけに、そこが残念でなりません。