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ECM-1328 NS → ECM-1682 NS
Valery Afanassiev
Franz Schubert: Sonata in B flat, D. 960


JAZZDISCO.org から

ECM 1682 NS Franz Schubert – Sonate B-Dur, D 960 — Valery Afanassiev 1998
Valery Afanassiev, piano; Franz Schubert, composer.

“Lockenhaus Festival”, Lockenhaus, Burgenland, Austria, July, 1985

Sonate B-Dur Op. Posth. D 960: Molto Moderato
Sonate B-Dur Op. Posth. D 960: Andante Sostenuto
Sonate B-Dur Op. Posth. D 960: Scherzo: Allegro Vivace Con Delicatezza – Trio
Sonate B-Dur Op. Posth. D 960: Allegro, Ma Non Troppo
** originally released on ECM New Series (G) ECM 1328 in 1986 as Gidon Kremer – Edition Lockenhaus Vol. 3.



Valery Afanassiev ワレリー・アファナシエフについて
(ウィキペディアより)

ワレリー・パヴロヴィチ・アファナシエフロシア語: Валерий Павлович Афанасьев、ラテン文字転写例: Valery Afanassiev、1947年9月8日 – )はロシアピアニスト詩人作家である。

概説

 モスクワ生まれ。モスクワ音楽院にてエミール・ギレリスとヤコフ・ザークにピアノを師事。1969年にライプツィヒ・バッハ国際コンクール、1972年にブリュッセルで行われたエリザベート王妃国際音楽コンクールにおいて優勝。1974年ベルギーのシメイ城での演奏旅行を終えた際、西側への政治亡命を決行し、ベルギー国籍を取得している。

 以前はヴェルサイユに暮らしていたが現在はブリュッセルの郊外に住み、音楽活動のかたわらフランス語で詩作や小説の執筆にも取り組んでいる。リサイタルではさまざまなパフォーマンスを行うこと、とりわけ、自作の詩や哲学的なエッセイを朗読することで知られる。

 近年は指揮者としての活動にも取り組んでいたが、オーケストラが言うことをきかないということで、指揮活動からは撤退した。異才、鬼才、思索するピアニストなどと呼ばれてその個性を讃えるファンもあり、きわめて遅めのテンポ設定および間の取り方、透徹した音の響かせ方、その為のペダルの使い方をすることもしばしばというイメージがあるが、実のところ、そうしたスタイルばかりではなく、表現の抽斗は多彩である。
ムソルグスキーの『展覧会の絵』のようなお国ものもレパートリーに入っているが、世界的にはベートーヴェンやシューベルトのソナタ、ブラームスの後期小品集のようにドイツ・ロマン派のピアノ曲の中でも、わりあい渋めのレパートリーとその独特な解釈ゆえに有名である。かつてはギドン・クレーメルの室内楽演奏のパートナーとしても有名だった。


ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D 960について
(ウィキペディアより)

ピアノソナタ第21番 変ロ長調 D 960 は、フランツ・シューベルトが1828年9月に作曲したピアノソナタ。
この曲は作曲者晩年のピアノソナタ3部作(ハ短調、イ長調、本作)の最後を締めくくり、また、作曲者の生涯最後のピアノソナタである。


感想

 私はこのシューベルトのピアノソナタ第21番を、ダニエル・バレンボイムの1973年と1977年の録音に親しんできた。それはこのピアノ・ソナタの美しさを暖かく響かせているものだ。

 それと比べるとこのワレリー・アファナシエフの演奏は、ゆったりと厳しさが漂うなかで、その美しさを表現しているように、私は感じた。

 本「新版 ECMの真実」(p246)から、この作品に触れている箇所を引用する。

稲岡
しかし、モーツァルトやシューベルトもありますね。

堀内
美しいロマンチックな録音もありますが、比率からいうと厳しい傾向の作品、そして感覚的というよりも、聴き手に対して非常に知的なアプローチを要求する作品のほうが多いですね。もちろん同じドイツのヴェルゴと比べると繊細で自由な想像力を刺激する面が勝っているのですが。ただし、シューベルトにしても最初の登場はアファナシェフによる例の変ロ長調のD960のライブ録音ですから油断は禁物です。

 私はこれが、ECMのニュー・シリーズ作品で初めて聴く作品だが、入り易い作品であったようだ。

2023年6月25日掲載